(6) Focal range/被写界深度


 

被写界深度(被写体深度)とは被写体に対してピントの有っている距離の範囲で、このピントの合う幅を変化させる事により写真の表現の幅も変えることが出来ます。

被写界深度が薄いとピントの合う距離の範囲が狭く、ピントの合わないボケた範囲が広くなります、被写界深度を薄くしたい場合は、露出を開く、焦点距離を長く、被写体との撮影距離を近くするとピントの幅が薄くなりボケ味が増えます。

逆に被写界深度が深いとピントの合う距離の範囲が広くなり、ピントの合わないボケた範囲が狭くなります、被写界深度を深くしたい場合は、露出を絞る、焦点距離を短く、被写体との撮影距離を遠くするとピントの幅が広くなりボケ味が減ります。

被写界深度のピントの合っている範囲はピントの一番手前の「前側被写界深度」〜ピンとの一番奥の「後側被写界深度」までの範囲となり、その値を求めるには下記の数式を使います。

前側被写界深度の求め方>d*F*a^2/(f^2+d*F*a)

後側被写界深度の求め方>d*F*a^2/(f^2-d*F*a)

各値の意味は

f>焦点距離

F>F値

d>最小錯乱円の直径

a>レンズ第一主点〜被写体間距離

^2>二乗

この数式によりボケ率を高める場合は分子の一乗効果のF値(レンズの明るさ)より、分母の二乗効果のf値(焦点距離)を大きくする方がより効果的ということが推測されます。

また厳密な意味でのピントは一部分にしか合いませんが、目で観てピンが有っていると感じられる範囲は実際のピントの位置より前後に広がっており、その広がりの範囲はピント位置より手前に1の割合で、奥に2の割合でピントが合う範囲が広がります。

数値の例としてEF28-70mm/F2.8のレンズで被写体までの距離が1mの場合は

28mmでF2.8の焦点の合う距離は0.92m〜1.1mの範囲
     F16の焦点の合う距離は0.69m〜2.09mの範囲

50mmでF2.8の焦点の合う距離は0.97m〜1.03mの範囲
     F16の焦点の合う距離は0.86m〜1.21mの範囲

70mmでF2.8の焦点の合う距離は0.98m〜1.02mの範囲
     F16の焦点の合う距離は0.92m〜1.1mの範囲

上記の範囲で焦点が合い、28mm/F2.8と70mm/F16の焦点範囲は同じに成りますので広角レンズは絞りを開放して写してもピントの幅が広く、望遠レンズでは絞りを絞って写してもピントの幅が狭いという特性を表しています。

これらの広角〜望遠のレンズの特性と絞り値とシャッタースピードの変化の関連を正しく理解し実際の撮影で使いこなせる事が写真の表現力の幅を広げ芸術性を高める大切なファクターに成ると思います。